実は大学在学時、盛大なアウティングを体験しました。
そのときの体験をここに記したいと思います。
私は大学を中退したのですが、様々な事情があったとはいえ、アウティングも中退の背中を押したひとつだったかもしれない・・・とパワハラ防止法が制定されたことでじわじわと思い出してきたので勇気を出して書いてみます。
アウティングの実例ー「良かれと思って」
私は看護大学に進学したんですが、入学してすぐにジェンダーの授業があったんですね。
リプロダクティブヘルスライツやら第3の性やら何故そんなに自分と向き合わざるを得ない領域に突っ込んでくるのだろうか…という内容の授業を入学した1年生から受けていました。
当時はFTMであることを周囲に隠して男子学生として入学していたものの、看護の学科長と前年度からいた助教の先生だけには入学前から健康診断やその他でお世話になっていたので打ち明けていたのですが、この助教の先生のお口がたいへん滑らかだったんです。
GID領域の授業の担当教員は
「授業の配慮をお願いします」
と仰せつかったそうなので、きっと僕が傷つかないように配慮のもとだと思いますが、当事者のいないところで当事者の話をすることはたとえあなたはそれが相手のためだと思っても当事者のためになっていないことがあるのでせめて「〇〇先生に共有しようと思っているけどどうだろう?」という相談があってほしいな思いました。
きっと傷つける悪意はなかったと思います。
だけど当時の私は自分がGID(元女子)だと周囲に知られることによって、「女って思われてたらどうしよう」「ちょっとした女の子っぽいところがでた時にほらやっぱり女やんって言われたらどうしよう」と不安になりがちだったので余計な悩み事ができたな…と、かなりしんどかったです。
「良かれと思って」から始まることに良いことはありません。
当事者と話してくれると嬉しいです。
アウティング、その後
これはあくまで私の話なので1つの体験として聞いてほしいのですが、私はアウティングが起こると逃げるように居場所を変えてきました。
一度「元女子」だという烙印を押されてしまえば、それが覆ることはないからです。
きっとまわりはなんとも思ってないんだけれど、自分自身が自分に最も偏見がありました。
そしてきっとそれは死ぬまで変わることがないかもしれません。
だからこそ、性別だけじゃなくそのほかのことで誇れることがある自分になりたいと思いました。
これは性別を変更して9年が経ち、男性として生きる自分に自信がついてきたから言えることかもしれません。